第6回 JFC アウォード授賞式 オフィシャルレポート

活動報告

(右から 富士の国やまなしFC 武川さん、なごや・ロケーション・ナビ 三宅さん、大阪フィルム・カウンシル 松崎さん、信州上田FC 山岸さん、ながのFC 跡部さん、 JFC 泉谷理事長)

第6回 JFC アウォードを開催、 8 月 7 日に長野県諏訪市(RAKO 華乃井ホテル:長野県諏訪市高島2丁目 1200−3 )にて
受賞式を行いました。

例年、JFC アウォード授賞式は、 JFC の総会と併催で行っておりました。しかし今年は、新型コロナウイルスの影響を受け、総会は 6 月末に東京で開催いたしましたが、当初総会開催地として予定して いた長野県諏訪市にご協力を頂き、開催いたしました。

JFCアウォードは、全国各地で優れたロケーション資源の開発や市民と一体となった撮影支援、映像作品の活用による地域
活性化に向けて日々奔走するFC等を表彰するもので、これを機に、FCの意義や活動内容を広く国民に知ってもらい、撮影への理解・協力を促進することで、さらなる撮影環境の向上やFC活動による地域の活性化を図る目的で行っており、今回で 6回目を迎えます。

【最優秀賞】「AI崩壊」支援FC一同 (映画『AI崩壊』)(なごや・ロケーション・ナビ/大阪フィルム・カウンシル/岡山フィルムコミッション協議会/栃木県フィルムコミッション/わかやまフィルムコミッション/流山フィルムコミッション/前橋観光コンベンション協会/高崎フィルムコミッション)
【受賞理由】大がかりなアクションシーンの撮影や、過去に撮影隊を受け入れたことのなかったロケーションの発掘、大規模な完全道路封鎖を実現させるなど、過去の撮影のノウハウを生かしながら今まで以上に各地が力を注いだ作品だったこと。そしてこの作品で発掘したロケ地が、海外の大規模作品の誘致 にも繋がったことなど、1つの作品で全国各地の様々な撮影支援の工夫がうかがえたました。また、宣伝配給会社や制作会社と連携して、撮影に協力した8 FC が合同でロケ地マップを作成し、全国およそ 40 か所で 35 000 部を配布するなど、中国ブロックから関東ブロックまで地域を超えて、1 つの作品を協力して宣伝した成果は大きく、今後の参考事例となり得るということが受賞理由となりました。

【優秀賞① 】富士の国 やまなしフィルム・コミッション (テレビ東京 木ドラ25『ゆるキャン△』)
【受賞理由】アウトドア、キャンプブームの火付け役となった本作のマンガ・アニメのシリーズを2016 年から支援しており、2018 年のアニメ放送の際には、廃校の活用や地元住民主催のイベント開催、スタンプラリー、ツアー企画、 JR 東海とのコラボ列車運行など、作品を活用した様々な企画を実施してこられました。また、大学と連携した効果測定等を行ったことから、産学官連携のモデルケースとしても評価され、多くの大学・ゼミから研究対象としての取材や講演の依頼にも対応されてきました。原作サイドからも厚い信頼を得たことで、この実写ドラマ化に は FCの協力が必須と認識され、企画段階から様々な協力を行ったこともあり、FC 担当者の武川さんは、ロケーションプロデューサーとしてスタッフィングされ、現在もシリーズの関連商品開発や監修、次期作シナリオ制作の協力など多岐に渡る支援を行っており、制作サイドにFC が高く評価されていることが受賞の決め手となりました。

【優秀賞②】せんだい・宮城フィルムコミッション(映画『アイネクライネ ナハトムジーク』)
【受賞理由】オール仙台ロケの本作品ですが、1日の通行量が5~30 万人とも言われる仙台駅前の歩道橋の上で、3日間にわたるロケを3か月前から準備して成功させました。また、延べ1000人のエキストラの協力で撮影されたボクシングの世界戦のシーンでは、地元の大学や専門学校の外国人留学生も参加し、リアリティのあるシーンを作り上げました。さらには、宣伝では様々な団体と連携して無料や安価で広告をうったり、特設ページの作成やロケ地マップの作成、地元企業と連携したスタンプラリーの実施、地元レストランやホテルとコラボしたメニューの企画、老舗のお土産とのコラボなンプラリーの実施、地元レストランやホテルとコラボしたメニューの企画、老舗のお土産とのコラボなど、様々な工夫で地元を巻き込んPRを行ったことが高評価となりました。

【優秀賞③】信州フィルムコミッション・ネットワーク (映画『サヨナラまでの30分』)
【受賞理由】長野県内のFCが連携して撮影・宣伝に協力。松本では、毎年実際に開催している「りんご音楽祭」とコラボし、3日間の撮影に、約2000人のエキストラと約30名のボランティアスタッフを動員。この動員のために、地元動員。この動員のために、地元J1の天皇杯の試合の際に電光掲示板で監督のメッセージを流してもらうなどの工夫が見られました。また宣伝時には、撮影地のカフェで劇中に出てきたバインミーを再現してもらい、映画の世界感を楽しんでもらう仕掛けをしました。さらには、塩尻では、「秘密基地」というロケ地照会のワードから、廃プールをロケ地として発掘し紹介したことで、制作側から高評価が得られました。差入れの際には「ウェルカムボード」を作って制作者へおもてなしをし、地元PRの成功を遂げました。ながのFCでは、観光客の多い善光寺の参道での早朝撮影を約80店舗へ数回あいさつ回りをし実現させました。
その他、松本FC、上田FC、諏訪圏FC、安曇野市、ながのCFCでは、SNSやWEBサイトで宣伝を行う他、日頃からLINEなどで情報共有をするなど、常に連携する体制ができていたことが様々な成功のカギとなったとして、評価されました。

【優秀賞④】信州上田フィルムコミッション (映画『兄消える』)
【受賞理由】ほぼ全編上田市内でロケが行われ、舞台の設定も上田だったことから、エキストラや地元の方を中心とした市民有志による「上田公開を連席にする会」を発足させ、地元の映画館の動員に大きく貢献したほか、ロケ地マップの作成やイベントの開催、SNSによる情報発信はもちろん、感動的なシーンを観客に共有してもらおうと「兄・金之助に手紙を返そうキャンペーン」をロケ地マップと連動して実施し、県内外からから149通の手紙が届いた。また地元メディアを巻き込んでのPRは特に活発に行われ、様々な地元紙の掲載は全60回にも回にも及びました。その他、地元の病院での上映会や、出演者とめぐるロケ地ツアーの実施、ヒット御礼パーティーの開催など、長く地元に愛される作品になるような仕掛けをになるような仕掛けをFCが作ったことが評価されました。

【特別特別賞①】田中 まこ 氏
【受賞理由】前JFC理事長。日本人として初めて初めて世界のCネットワーク組織であるAFCIでFCについて学び、その概念を日本へ還元。JFCの前身の団体である「全国フィルムコミッション連絡協議会」の設立メンバーでもあり、以後、同協議会では副会長としてリーダー的な存在であった。アジアのフィルムコミッションネットワーク、AFCNetの設立メンバーも務め、同ネットワークの副会長を2004~2009年まで務められましたFCの設立にも大きく貢献し、設立から2016年までは副理事長を、そして昨年の10月までは理事長を歴任し、日本のFCのパイオニアとして、FCの発展にの発展に尽力されました。。

【特別賞②】前澤 哲爾 氏
【受賞理由】JFCの前身団体「全国フィルムコミッション連絡協議会」の設立メンバーとして尽力され、同協議会の事務局長として、2009年の解散まで全国のFCの設立に貢献されました。また田中さんと同様、AFCNetAの設立にも尽力されましたが、先月、残念ながらご病気のため他界されました。日本でFC活動が活発になったのは、田中さんや前澤さんのような先人の方々が牽引して下さったおかげと存じます。ここに感謝の気持ちを込めて、特別賞をお送りいたしました。

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